夫はうつ病で休職していた時期があり、「収入がなくなったらどうしよう」「制度は何が使えるの?」と、毎日のように不安を抱えていました。
その中で調べた制度の一つが「生活保護」 です。
「うつ病でも生活保護は受けられるの?」「申請には何が必要?」
同じように悩む方のために、できるだけやさしく、制度のポイントをまとめました。
生活保護とは?
生活保護は、日本の社会保障制度の一つで、「生活に困っている人が最低限度の生活を送れるように国の支援制度(最後のセーフティネット)制度」です。生活費だけでなく、医療費や住宅費も支援対象になる場合があります。
重要なのは“その人の生活がいま成り立っているかどうか” という点です。
生活保護を受けるには、以下の条件があります。
生活保護を受けるための主な条件
以下は一般的なポイントです。詳しい判断は市区町村の窓口で行われます。
1. 資産・収入の不足
貯金や不動産などで自分の生活がまかなえないこと。収入が生活費より少ない場合が対象になります。
2. 扶養義務者からの支援がない
配偶者や親など、扶養できる家族が援助できる状況にない場合に該当します。
3. 働けない、または働いても生活が成り立たない
病気や障害などで就労が難しい場合、または働いても生活を維持できない収入しか得られない場合が対象です。

証明について詳しくみてみよう。
生活保護の支給条件の証明
生活保護の支給条件を確認するための書類
生活保護の審査では「収入」「資産」「健康状態」を中心に確認されます。
1. 資産・収入が生活に足りないこと
- 預貯金通帳の提示・残高証明書
- 給与明細・源泉徴収票(直近の収入がわかるもの)
- 年金・手当(傷病手当金・障害年金など)の受給証明
2. 扶養義務者からの支援がないこと
- 家族の収入や生活状況の確認(必要に応じて市区町村から連絡が入ることも)
- 扶養できない理由の説明(別居・離婚・親が高齢・生活困難など)
3. 働けない、または働いても生活が成り立たないこと
- 医師の診断書(特に「就労不能」の明記が重要)
- 障害年金の診断書・等級証明がある場合は提出可能
- 会社の休職証明・傷病手当金の明細(収入減を証明)

口座がいくつかあって、申告し忘れていたらどうなるの?
どうやってわかるのか?
1.金融機関への照会
- 市区町村の福祉課は、預金口座や資産の有無を確認する権限があります。
- 過去の口座情報や取引履歴、定期預金、投資信託なども照会されることがあります。
- 申請者本人の承諾がなくても、法律に基づき金融機関から情報が得られる場合があります。
2.税務署との情報連携
- 所得や課税情報は税務署から照会可能です。
- 申告していない収入や貯金の動きがあると、所得や資産の過不足で発覚する可能性があります。
3. 生活状況の調査
- 役所のケースワーカーが自宅訪問することがあります。
- 家の中の生活状況、消費状況、生活用品、車や不動産などを確認。
- 「生活が本当に困窮しているか」を総合的に判断します。
4. 家族や関係者からの情報
- 扶養義務者(親・配偶者など)への照会もあります。
- 「資産があるのに申請している」といった情報が入ることもあります。
生活保護で支給されるもの
生活保護は、大きく分けると「生活扶助」「住宅扶助」「医療扶助」「教育扶助」「介護扶助」などがあります。
| 扶助の種類 | 内容 | 支給額の決め方 | 支給条件 |
|---|---|---|---|
| 生活扶助 | 食費・衣類・日用品など生活に最低限必要な費用 光熱費や通信費もある程度含まれる場合あり | 世帯構成(単身・夫婦・子どもあり)、年齢・健康状態に応じて、厚生労働省の「生活扶助基準」に基づき計算 | 基本的にすべての生活保護受給者に支給 贅沢品購入は想定されない |
| 住宅扶助 | 家賃や住宅ローンの一部支援 公営住宅・民間賃貸対象 | 地域の家賃相場に応じた上限、世帯人数や住宅の広さも考慮 | 自宅所有の場合は原則支給されない(住宅ローン例外あり) 家賃を自己負担できる場合は調整 |
| 医療扶助 | 医療費の自己負担なし(医療券で受診) 治療・薬・入院費なども含む | 必要な医療サービスに応じて全額支給 | 受給者本人・扶養家族が対象 保険証ではなく原則医療券で受診 |
| 教育扶助 | 子どもの学校費用(学用品、給食費、修学旅行費など) | 実際にかかる費用に応じて支給 公立・私立、年齢や学年によって異なる | 18歳までの就学中の子どもがいる世帯 |
| 介護扶助 | 高齢者や障害者の介護サービス費用(訪問介護、デイサービス、介護用品費用など) | 介護の必要度に応じて支給 市区町村のケアプラン・介護保険と調整 | 65歳以上または障害があり介護が必要 生活保護受給者で自己負担できない場合 |

僕みたいな状態の人が生活保護を受ける時はどうなるんだろう?
―支援の流れ・通常の生活保護との違い―
うつ病が悪化して働けなくなったとき、収入が途絶えてしまい「生活が立ち行かない…」という状況は珍しくありません。
そんなときの最終的なセーフティネットが「生活保護」です。
ここではうつ病で申請する場合の特徴や一般的な生活保護との違いをわかりやすくまとめます。
① うつ病で申請する場合の特徴
うつ病などの精神疾患で働けない場合
生活保護では「就労不能(または制限)」が認められるかどうかが重要となります。
働けない状態であることの証明が必要
- 診断書
- 主治医の意見書
- 休職中なら会社からの書類
などで、働くのが難しい状況を示すことが求められます。
💡診断名よりも 「生活・就労能力がどれくらい落ちているか」 が重視されます。
② うつ病で生活保護を申請する流れ
① 会社を休職
うつ病で働けない状態。
この期間は 傷病手当金 が給与の一部を補償。
② 傷病手当金が終了
最長1年6ヶ月で支給が終了。
収入が途絶え、生活費の確保が必要に。
③ 障害年金の申請
うつ病で日常生活・就労に制限がある場合に申請。
審査は数ヶ月〜半年かかることも。
④ 生活保護の申請
傷病手当金や障害年金では足りない場合に申請。
福祉課で相談し、収入・預金・診断書などを提出。
1.相談(福祉事務所)
「働ける状態ではない」「収入が足りない」と伝える
→ 必要書類の案内を受ける。
この段階で 医療費の心配・住居の不安 も相談してOK。
2.申請
必要書類(診断書・収入状況・家計状況など)を提出して申請。
3.調査(家庭訪問・医療情報の確認)
- 現在の生活状況
- 働けない理由
- 貯金・資産
- 家族の扶養照会
などが行われる。
4.保護開始
認められると
- 生活扶助(食費・光熱費)
- 住宅扶助(家賃)
- 医療扶助(医療費無料)
などが支給される。
③ 通常の生活保護との違い(うつ病ケース)
| 項目 | 通常の生活保護 | うつ病など精神疾患で申請 |
|---|---|---|
| 就労指導 | 原則、働くように指導される | 体調に応じて就労指導がゆるい or 免除 |
| 医療費 | 原則0円 | 同じく無料+精神科通院が継続しやすい |
| 面談頻度 | 比較的しっかり面談が入る | 体調に配慮され、負担少なめの対応 |
| 就労訓練 | 参加を求められる | 医師の意見により免除されることが多い |
| 保護の継続 | 就労可能なら自立を促される | 治療優先で長期になる場合も |
| 医療情報提出 | 必要に応じて | 主治医の意見が特に重視される |
④ うつ病の人が生活保護を利用するメリット・デメリット
メリット
✔ 医療費・薬代が無料
精神科や心療内科の受診、薬代もすべて0円。長期治療中も安心です。
✔ 生活費・家賃が補助される
食費や光熱費、家賃も補助され、収入がなくても住まいや生活を守りながら療養できます。
✔ 就労を無理に促されない
医師が就労困難と判断している場合、無理に働く必要はありません。
✔ 障害年金との併用で生活が安定
年金だけでは足りない部分を生活保護が補い、最低限の生活を守れます。
デメリット
⚠ 扶養義務者への照会がある
原則、家族に生活保護申請の確認があります。DVや精神的理由で連絡できない場合は配慮されることもあります。
⚠ 財産や収入の調査がある
預貯金や資産、収入がある場合は支給額に影響します。
⚠ 生活レベルは最低限
贅沢はできず、生活費はあくまで「最低限の暮らし」を想定しています。
⚠ 働ける場合は就労指導の可能性
症状が改善して働けると判断されれば、就労支援を受ける必要があります。
⑤ よくある質問
- Q扶養照会(家族に知られる?)
- A
原則は照会されますが、「DV・精神的に連絡できる状況ではない」など事情があれば配慮されることがあります。
- Qうつ病でも申請は通る?
- A
医師が「就労困難」と判断していれば通るケースは多いです。
診断名だけではなく生活上の困難がどれくらいあるかがポイント。
- Q審査期間中のお金がもうない場合はどうすればいい?
- A
緊急性が高ければ「一時扶助」や「申請前の保護」 を使えることもあります。
一時扶助
- 生活保護の申請中に、生活に必要な緊急費用を先に支給してもらう制度
- 食費・光熱費・医療費などに使える
申請前の保護(準用制度)
- 厳密には「正式申請前」でも生活困窮なら、緊急的に保護を受けられる仕組み
- 申請手続き中にすぐ生活が立て直せるように支援

どうやって申請するの?
- 市区町村の福祉課(生活福祉課など)に連絡
- 「生活費がもうない」「食事や家賃が払えない」と正直に伝える
- うつ病などで動けない場合は、代理人や家族でも相談可能
- 面談で状況を説明
- 収入がないこと
- 預金や資産が使い切ったこと
- 病気で働けないこと
などを詳細に伝える
- 必要書類を出す
- 医師の診断書(就労困難の証明)
- 収入・預金の状況
- 可能なら家計状況のメモや領収書
- 審査の間に支給
- 緊急性が認められれば、その場で一時扶助や申請前保護が支給される
- 食費・家賃・医療費など生活に必要な費用に使える
- 「お金がない」と恥ずかしがらず、正直に事情を話すことが一番大事
- うつ病で電話や来庁が難しい場合も、福祉課に相談すれば柔軟に対応してくれる
- 一時扶助は 審査中だけの緊急対応 なので、正式な生活保護が決まるまでのつなぎとして考える
重要なところ
📝 医師の診断書は重要
「就労不能であること」を証明する書類は必須です。うつ病の場合、障害年金の診断書が参考になることもあります。
💰 資産確認がある
預金・不動産・車などがある場合は、原則それを使い切ることが前提です。
👪 扶養義務の確認
配偶者や親が支援可能かどうかも審査されますが、必ず援助する義務はありません。
💼 就労支援も並行
生活保護受給中でも、就労できる状態になれば働くことが推奨されます。
まとめ
生活保護は、「自分だけの力では生活が難しい場合」に利用できる公的な支援制度です。
うつ病で休職中や収入が減った場合でも、医師の判断に基づき申請可能です。
✔正しく申告する義務があります。口座が複数ある場合や資産がある場合はまとめて申告しましょう。※申告漏れや虚偽の申告には注意です。のちに不正受給が発覚した場合、不正受給とみなされ支給停止・返還命令・最悪の場合は刑事処分になることもあります。
✔まずはご自身の住んでいる管轄のお役所に行きましょう。福祉課にて案内をしてくれます。
💡自治体によって医師に記入してもらう用紙指定があるのでご確認!
✔主治医の意見が重視されるので、うつ病で生活保護を受けた場合、面談・職業訓練参加など考慮してもらえることがあります。
生活に不安を感じたときは、恥ずかしがらずに相談してください。あなたが安心して療養できる環境を作ることが、何より大切です。

読んでいただきありがとうございます。
参考文献・資料:
・厚生労働省「生活保護制度の概要」 …他



